犬が吐いたときはどうする?吐いたものと体調を記録して相談
犬が吐いたら、まず呼吸や元気、お腹の張りを確認し、吐いた時刻・回数・内容物・一緒に出ている症状を記録して動物病院へ相談しましょう。吐こうとしても出ない、倒れる、呼吸が苦しそうなどの異変があれば、記録より連絡と受診を優先してください。
この記事でわかることは、受診を急ぐサイン、吐いたものの見方、電話で使える連絡票、受診までの過ごし方です。
- 吐いた色や回数だけで決めず、呼吸・元気・食欲なども一緒に確認します。
- 時刻・回数・内容物・併発症状を残し、見ていないことは「未確認」と伝えます。
- 無理な飲食や自己判断の投薬を控え、受診までの対応を病院に確認します。
犬が吐いたら、まずどんな様子を確認する?

最初に見るのは、犬が呼びかけに反応するか、立てるか、苦しそうに呼吸していないかです。吐いたものを片付ける前に、犬自身の様子を確認しましょう。
次のような変化があれば、様子見を続けず病院へ連絡してください。すべての症状がそろうのを待つ必要はありません。
| 見られる様子 | 取る行動 |
|---|---|
| 倒れる、立てないほどぐったりする、呼吸が苦しそう | すぐ救急対応の動物病院へ連絡し、受診する |
| 何度も吐こうとするのに出ない、お腹が急に膨らむ | 緊急の状態を疑い、直ちに連絡して受診する |
| 血らしいものを吐く、黒いタール状の便が出る、強く痛がる | すぐ連絡し、症状と受診方法を相談する |
| 繰り返し吐く、水を飲んでも吐く、元気や食欲が落ちる | 早急に連絡し、受診の必要性を確認する |
| 薬、有害な物、おもちゃなどを飲み込んだ可能性がある | ほかの症状が出るのを待たず、すぐ連絡する |
呼吸困難や倒れる状態はVCAの救急症状の案内、嘔吐に伴う血・飲水後の嘔吐・元気の低下などは米国動物病院協会(AAHA)の解説を参考にしています。
普段健康な成犬が1回だけ吐き、その後はいつもどおりなら、注意して観察できる場合もあります。ただし、「1回だから安全」という基準ではありません。再び吐く、別の症状が出るなどの変化があれば連絡してください。PDSAの受診目安
子犬が吐いた場合や、持病がある犬に体調の変化が出た場合は、早めに相談しましょう。Blue Crossの病気の犬のケア
体調に不安があるときは動物病院に相談を。夜間にかかりつけと連絡がつかず、上のような強い異変がある場合は、救急対応の病院を探して連絡してください。
吐いたものと吐き方は、どこを見ればよい?

吐いたものは色・形・混じっている物を、吐き方はその直前の動作を見ます。病名に置き換えず、見えたことをそのまま伝えるのが基本です。
色だけで「空腹」「食べすぎ」と決めない
黄色い液に胆汁が混じることはありますが、黄色だから空腹だけが原因とは決められません。白い泡や食べ物が見える場合も、その見た目だけで受診の必要性は決まりません。
観察するときは、次の項目をメモに残します。
- 液体が中心か、泡があるか、食べ物の形が残っているか
- 黄色、白っぽい、赤いなど、実際に見えた色
- 草、ひも、おもちゃの破片らしい物が混じっているか
- 少し付着した程度か、床に広がるほどかという大まかな量
血は鮮やかな赤だけでなく、黒褐色やコーヒーかすのように見える場合もあります。血かどうか自分で判定しようとせず、その見た目をすぐ病院へ伝えてください。PDSAの吐いたものの色に関する解説
お腹に力を入れたか、急に口から出たか
嘔吐では、お腹を動かして力む様子が見られ、前ぶれとしてよだれや口をなめる動作が出ることがあります。一方、お腹の力みが目立たず、食べたものが急に口から戻る「吐き戻し」は、嘔吐とは区別して診察されます。VCAの嘔吐と吐き戻しの解説
飼い主がどちらかを確定する必要はありません。「食後に急に出た」「お腹を何度か動かしてから吐いた」など、動作を伝えましょう。見ていなければ「床で見つけたため、吐く瞬間は未確認」とします。
短い動画は動作を説明する助けになりますが、撮影のために待ち続けたり、食べ物を与えて再現させたりしないでください。余裕があるときだけ残し、苦しそうなら連絡を優先します。AAHAの動画と観察の案内
時刻・回数・内容物・併発症状をどう記録する?

吐いた出来事ごとに、日時・回数・内容物・前後の体調を一組にして残します。詳しさより、起きた順番と「確認できた範囲」が伝わることを大切にしましょう。
以下は、病院に連絡するための記入用の表です。スマートフォンのメモやノートに写し、必要な行を足して使ってください。空欄があっても相談できます。
| 連絡する項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 犬の基本情報 | 名前、年齢、犬種、わかる範囲の体重 |
| 持病・薬 | 治療中の病気、薬名、最後に与えた日時 |
| 始まった時刻 | 最初に吐いた日時。見つけただけなら発見時刻 |
| 回数と間隔 | 見ていた間に何回、いつ吐いたか。続けて吐いたか |
| 吐いたもの | 色、液体・泡・食べ物、大まかな量、血や異物らしい物 |
| 吐く前の動作 | お腹の力み、よだれ、せき、前ぶれの有無 |
| 食事と飲水 | 最後に食べた時刻と内容、水を飲んだか、その後に吐いたか |
| 併発症状 | 元気、呼吸、下痢や便の色、お腹の張り、痛そうな様子 |
| 思い当たる変化 | 食事の変更、誤飲の疑い、最近の旅行や預かり利用 |
| 写真・動画 | 撮影した時刻、どの出来事に対応するか |
開始時期・頻度・内容物に加え、食欲や便、環境の変化、年齢や薬の情報も診察の手がかりになります。AAHAの診察前に整理したい情報
「吐いた時刻」と「見つけた時刻」を分ける
留守中に吐いたものが床にあった場合、帰宅時刻が吐いた時刻とは限りません。「帰宅時に発見、留守中の回数は不明」と書けば十分です。床の汚れが複数あっても、それをそのまま嘔吐の回数と断定しないようにします。
続けて吐いたときに回数を数えられなかったら、「短い間に何度か。正確な回数は不明」と伝えましょう。推測で数字を埋めるより、見た状況を添えるほうが記録を誤解されにくくなります。
普段との違いを短い言葉にする
「元気がない」には、「普段は呼ぶと来るが、今日は寝床から動かない」のような観察を添えます。これは書き方の例であり、診断の基準ではありません。反応を見るために歩かせたり、遊びに誘ったりする必要はありません。
写真を残せた場合は、撮影時刻とメモを対応させます。後から見返したときに、最初に吐いた分か、その後の分かがわかる形にしておきましょう。
家族が別々に見守った場合は、同じメモに追記すると経過をまとめられます。誰も見ていない時間帯を「吐いていない」と扱わず、留守にした時間も書き添えてください。
動物病院には、どの順番で伝えればよい?

電話では、まず今いちばん気になる症状を伝え、その後に犬の情報と経過を続けます。連絡票を完成させることより、病院とつながることを優先してください。
急いでいると、最初から順番に話そうとして言葉が出ないこともあります。呼吸が苦しそう、吐こうとしても出ない、誤飲したかもしれないなどの情報は、最初に伝えてかまいません。緊急時には病院へ状態を知らせ、応急対応の指示を受けながら受診することが基本です。VCAの緊急時の対応
落ち着いて話せる場合は、次の順番を目安にします。
- 1「犬が吐きました」と伝え、現在の呼吸・反応・立てるかどうかを話す
- 2年齢、犬種、体重、持病、使っている薬を伝える
- 3最初に吐いた時刻、確認できた回数、内容物を話す
- 4食欲、飲水、便、元気の変化や誤飲の疑いを伝える
- 5今すぐ受診するか、到着までに何をすればよいか確認する
電話で使える伝え方の型
「犬が、○月○日の○時ごろから吐いています。見ていた範囲では○回で、吐いたものは○○です。今は○○の様子で、水を飲んだ後は○○でした。年齢は○歳、持病と薬は○○です。今すぐ受診が必要でしょうか」
すべてを一息に読む必要はありません。わからない部分は「不明です」と答え、病院からの質問に沿って補ってください。電話の途中で状態が変わったら、その変化を先に伝えます。
薬や有害な物を口にした可能性がある場合は、包装や残っている物から、商品名と減った量をわかる範囲で確認します。袋や容器を持参するかも尋ねましょう。ASPCAの中毒が疑われるときの対応
預かり先から嘔吐の連絡を受けたときは、実際に見た人の記録と写真を共有してもらい、病院へ伝えます。今後の連絡方法や持病の伝え方を整理する際は、ペットホテルとは?選び方と準備ガイドも参考にしてください。
受診までの食事・水・過ごし方はどうする?

受診までの飲食は、今の症状を伝えて病院に確認し、無理に食べさせたり飲ませたりしないことが基本です。自宅で観察するよう案内された場合も、休ませながら変化を記録しましょう。
食事と水は、それぞれ確認する
嘔吐の治療では、一時的に食事を控えるよう指示される場合がありますが、家庭で一律に「何時間も絶食」と決めるのは避けましょう。食事を再開する時刻、内容、量は、診察や電話での指示に合わせます。VCAの嘔吐の治療に関する案内
緊急症状がなく、自宅で観察する場合は、清潔な水を用意し、自分で少量ずつ飲めるようにします。自己判断で長く水を取り上げず、飲ませ方に迷う場合は病院に確認してください。水を飲んでも吐く場合は、家で与え方を試し続けず、すぐ連絡します。Blue Crossの水の与え方、AAHAの受診を急ぐ症状
薬や吐かせる処置を自己判断で使わない
人用の薬や以前に処方された薬を、今回も使えると考えて与えないでください。 人や別の犬向けの薬が、その犬に適さないことがあります。FDAのペットへの薬の注意
治療中の薬がある場合は、次の投薬をどうするかも相談します。飲んだ後に吐いたときも、薬名・与えた時刻・吐いた時刻を伝えてから確認し、自己判断で追加しないようにしましょう。Blue Crossの服薬中の相談について
休ませる間も、再連絡の目安を決める
嘔吐後は散歩や遊びを控えて休ませます。PDSAの家庭でのケア
病院から自宅で観察するよう言われたら、「次に連絡する時刻」と「予定を待たず連絡する変化」を聞いてメモに残しましょう。再び吐いたことや、新しい症状が出たことは、最初の連絡票に追記します。
旅行中も、出発前の食事、移動、吐いた時刻を分けて伝えます。体調に不安があるときは予定より相談を優先し、次の旅行の準備には犬と泊まれる宿の選び方|種類・マナー・持ち物ガイドも役立ててください。
まとめ
- 犬が吐いたら、呼吸・反応・立てるか・お腹の張りを先に確認します。
- 吐こうとしても出ない、倒れるなどの強い異変があれば、記録より連絡と受診を優先します。
- 時刻・回数・内容物・併発症状を連絡票に残し、未確認のことは推測で埋めません。
- 吐いた色だけで原因を決めず、写真や動作、食事・飲水の様子も伝えましょう。
- 無理な飲食や自己判断の投薬・吐かせる処置を避け、受診までの対応と再連絡の目安を確認します。
よくある質問
Q犬が1回だけ吐き、その後は元気なときも受診が必要ですか?+
普段健康な成犬が1回吐いただけで、ほかに異変がなければ、注意して観察できる場合もあります。ただし、再び吐く、食欲や元気が落ちる、誤飲の疑いがある場合は早く連絡し、子犬や持病がある犬は1回でも動物病院に相談してください。
Q黄色い液や白い泡なら、様子を見ても大丈夫ですか?+
色だけでは、原因や受診の必要性は判断できません。色・泡・食べ物の混じり方に加え、回数や吐いた前後の様子を伝え、血らしいものや黒褐色の粒が見える場合はすぐ動物病院に連絡しましょう。
Q吐いた直後は、食事も水も抜いたほうがよいですか?+
自己判断で一律に絶食・絶水させず、年齢や持病、嘔吐の状態を伝えて病院に確認してください。無理に食べさせたり飲ませたりせず、水を飲んでも吐く場合はすぐ連絡しましょう。
Q吐いたものの写真がなくても相談できますか?+
写真や詳しい記録がそろっていなくても相談できます。わかる範囲で時刻・回数・内容物・現在の体調を伝え、強い異変があるときは撮影より連絡と受診を優先してください。
参考にした情報
この記事を書いた人
わんわん秘密基地 編集部
群馬県で犬のエンタメ複合施設をつくっているチームが、犬との暮らしに役立つ情報をお届けします。