犬のノーズワーク入門、おやつ探しから始める遊びの3ステップ

公開日 2026年10月16日読了目安 約8分

犬のノーズワークは、においを手がかりに探す遊びです。家庭では「見える位置のおやつを探す→少し隠す→探す場所を広げる」の3ステップで、愛犬が見つけられる難しさから始めましょう。この記事でわかることは、身近な道具での進め方と、困ったときの助け方、安全に楽しむための準備です。

この記事のポイント
  • 最初はおやつが見えていて大丈夫。「見つけたら食べられる」経験から始めます。
  • 隠し方や探す範囲を少しずつ変え、難しそうなら前の段階に戻します。
  • おやつは1日の食事全体で管理し、そばで見守りながら短く遊びます。

犬のノーズワークは何から始める?まずは準備と3段階を確認

青い首輪の柴犬と、床に用意した浅い箱や少量のフード

家庭で始めるなら、食べ慣れたフードと安全な床の一角があれば十分です。この記事では、愛犬が自分でおやつを探して食べる嗅覚遊びを紹介します。

においを調べる行動は犬にとって自然なもので、探索遊びはその行動を楽しむ機会になります。英国の動物保護団体Blue Crossの嗅覚遊びの解説でも、食べ物を探す遊びが紹介されています。まずは「うちの子はどんな探し方をするかな」と観察するつもりで取り組みましょう。

用意するものと場所

  • 食べ慣れたフード、またはその犬が安全に食べられるおやつ
  • 犬が歩きやすく、滑りにくい床の一角
  • 必要に応じて、清潔で浅く、ふたを開けて使える箱
  • 飼い主がそばで見守れる、落ち着いた時間

最初は箱も不要です。床にある小物を片づけ、普段入ってほしくない場所は探索範囲から外しておきます。初日に3段階を終える必要はありません。今日は見える位置のおやつを見つけるだけ、という終わり方でも大丈夫です。

段階おやつの置き方の例次に試す目安
1:見える位置犬の近くの床に見えるように置く置いたおやつへ自分から向かう
2:少し隠す浅い箱の内側など、のぞけば届く位置に置く箱を怖がらず、自分で見つけて食べる
3:場所を広げる同じ部屋の中で箱の場所を少しずつ変える近くを自分から探し、無理なく見つける

表は家庭で進める際の目安です。日数や速さで合否を決めず、同じ段階を繰り返して楽しめるなら、そのまま続けてかまいません。

ステップ1:見える位置のおやつを探す

床に見えるように置いたフードへ鼻を近づける柴犬

最初はおやつを隠さず、犬が見える位置に置いて探してもらいます。においだけで探させようと急がず、見つけて食べる流れを経験してもらいましょう。

  1. 1おやつを手に持ち、犬に見せます。
  2. 2犬の近くの床に、見つけやすいように置きます。
  3. 3「探して」などの短い言葉を添え、犬が向かうのを待ちます。
  4. 4見つけたらその場で食べてもらい、「見つけたね」とほめます。

Blue Crossの「Find it」の紹介も、おやつを見せて床で探す遊びから案内しています。家庭では、おやつが家具の下などに入り込まない場所で行ってください。

飼い主は犬のすぐ目の前をふさがず、置いた場所へ行けるようにします。おやつを食べ終える前に次々と追加せず、ひとつの探索が終わってから次を用意しましょう。

手元ばかり見ている場合は、床に置くところをもう一度見せてみます。それでも来なければ、その場で何度も呼び続けず休憩します。犬が見つけられたことを確かめてから、次の置き場所を考えるくらいのペースで十分です。

家族も一緒に遊ぶなら、最初はひとりがおやつを置く係になり、ほかの人は少し離れて見守りましょう。「探して」「こっち」などの声が重ならないようにすると、手順をそろえやすくなります。

ステップ2:おやつを少し隠して探す

ふたのない浅い箱の内側にあるフードを探す柴犬

見える位置での遊びに慣れたら、探す範囲を変えずに、おやつを少し見えにくくします。浅い箱を使う場合も、見つけたら自分で食べられる状態にしておきましょう。

浅い箱を使う進め方

  1. 1ふたを開けた浅い箱を床に置き、犬が近づけるか確かめます。
  2. 2犬が見ている前で、箱の内側の手前におやつを置きます。
  3. 3「探して」と声をかけ、犬が鼻を近づけるのを待ちます。
  4. 4見つけたらそのまま食べてもらい、ほめて終えます。

箱を使った探索はAmerican Kennel Clubの室内の嗅覚遊びでも紹介されています。最初からたくさん並べず、愛犬が無理なく使える箱から試しましょう。

「少し隠す」と「取り出しにくくする」は分けて考えます。箱にふたをしたり、布を固く結んだりする必要はありません。鼻先が届く浅さを選び、頭を深く入れないと食べられない箱は避けます。箱へ近づきたがらなければ、箱の外の見える位置に戻してください。

余裕が出てきたら、箱の向こう側に置くなど、最初の立ち位置から少し見えにくい場所を試せます。ただし、探す場所も箱の数も一緒に増やさず、何を変えたか飼い主が把握できるようにしましょう。

ステップ3:同じ部屋の中で探す場所を広げる

同じ部屋に間隔を空けて置いた浅い箱を順に調べる柴犬

隠したおやつを見つけられるようになったら、同じ部屋の中で探索範囲を少しずつ広げます。場所を広げる日は、隠し方を簡単なままにするのが進め方の基本です。

例えば、いつもの箱を少し横へ移すところから始めます。そこで見つけられたら、次は同じ部屋の別の一角へ。部屋全体におやつを散らす前に、近くの場所の変化を経験してもらいましょう。

  1. 1犬が落ち着いて待てる場所で、家族に一緒に過ごしてもらいます。
  2. 2探索する部屋に、慣れた浅い箱とおやつを用意します。
  3. 3犬を探索場所へ迎え、「探して」と伝えます。
  4. 4自分から調べる様子を見守り、見つけたらほめます。

「待て」がまだ難しければ、待たせる練習を同時にしなくてもかまいません。準備中に家族と過ごす方法や、落ち着いて待てる別室を使う方法を選びます。離れると不安になる犬は、置くところを見ていてもよいことにしましょう。

飼い主は、置いた場所と個数を覚えておきます。家具のすき間や高い棚など、取るために無理な動きが必要な場所へは置かないでください。立ったまま、あるいは楽に鼻を下げて届く位置にそろえます。

この段階でも、場所を広げ続けることが目標ではありません。室内でほかの遊びも組み合わせたいときは、雨の日の犬の過ごし方|室内遊びと運動不足解消のアイデアも参考になります。

見つからない・探さないときはどうする?

箱のそばで飼い主の手元を見ながら休憩する柴犬

見つからないときは、場所を近くしたり、おやつを見える位置に戻したりして助けます。探さないときは無理に参加させず、その日の気分や遊びの難しさを見直しましょう。

Dogs Trustの遊びの選び方も、犬が楽しんでいるか、困っていないかを観察し、難しすぎる場合は簡単にするよう勧めています。困ったら、おやつを増やす前に探し方を簡単にすると考えてください。

犬の様子飼い主が試すこと
箱の周りを回るが見つからないおやつを箱の手前の見える位置へ戻す
飼い主の手元だけを見るおやつを置く動作をもう一度見せる
箱を避けて近づかない箱を片づけ、床だけで試す
箱をかじる、布を引っ張る道具を使う探索を中止する
探索場所から離れる追いかけて誘わず、その回は終える

これは診断表ではなく、遊びの難しさを調整するための例です。「探さないから嗅覚が弱い」「途中で離れたから失敗」と決めつける必要はありません。

食べ物への関心が薄く、おもちゃが好きな犬なら、お気に入りのおもちゃを探す遊びに替える方法もあります。最初は置いたところを見せ、犬が簡単に届く場所から始めます。見つけたあとに一緒に遊ぶところまでを楽しみにしてみましょう。

遊び方や接し方を人に相談したい場合は、犬のようちえんとは?しつけ教室との違いと通うメリットを解説で、相談先を考える際の情報を確認できます。ノーズワークを相談したい場合は、希望する内容を扱っているか各施設に確かめてください。

安全に続けるためのおやつの量と終わり方

遊びの道具を片づける手元と、近くでくつろぐ柴犬

安全に続けるには、使う食べ物を先に取り分け、短く遊んで片づけるところまでを一組にします。探す回数に合わせて、おやつを際限なく追加しないことが大切です。

食事全体の中で量を管理する

いつものフードを使うなら、1日分として用意した量から遊び用を取り分けます。遊びで食べた分を、食事のときに重ねて出さないようにしましょう。

おやつについて、世界小動物獣医師会(WSAVA)の資料は、1日の摂取カロリーの10%未満に収めるよう案内しています。これは重さや粒数の割合ではありません。家族が別の時間に与えるおやつも含めて管理し、その量まで必ず食べさせる必要はないと考えてください。

食べ物は犬に合う大きさや形を選びます。食事制限や療法食の指示がある場合は、使える種類と量を動物病院に確認してください。体調に不安があるときは動物病院に相談をし、体に合う遊び方を考えましょう。

終了まで飼い主が見守る

Blue Crossの一般的な練習の案内では、2〜5分ほどの短い時間が目安になっています。探索遊びも長く続けようとせず、愛犬が楽しんでいるうちに区切りましょう。この時間はノーズワークのノルマではなく、短く終えるための参考です。

最後のおやつを見つけたら、取り分けた分の中から終了用のひとかけを使って探索場所の外へ誘い、「おしまい」と声をかけます。犬が離れたら残った食べ物を回収し、箱も片づけます。何も残っていない場所を探し続けさせず、休憩へつなげてください。

まとめ

  • 犬のノーズワークは、見える位置のおやつ探しから始められます。
  • 「少し隠す」「場所を広げる」と段階を分け、難しそうなら前に戻します。
  • 探す速さより、自分から調べて見つける様子を大切にしましょう。
  • 食べ物の量を管理し、道具の誤飲に注意して、片づけまで見守ります。
わんわん秘密基地

愛犬と楽しむ場所を準備しています

わんわん秘密基地は、2027年プレオープン予定で開発中の施設です。ガレージや犬のようちえんなど、犬と人が一緒に過ごす場所を計画しています。各エリアはまだ開業していません。今後の施設づくりの様子はわんわん秘密基地の公式サイトでご覧ください。

施設について見る →

よくある質問

Q犬のノーズワークに専用の道具は必要ですか?+
A

家庭のおやつ探しなら、食べ慣れたフードと安全に探せる場所から始められます。慣れたら浅い箱を使えますが、箱をかじる犬は道具を使わない方法に戻しましょう。

Q犬のノーズワークは1回何分遊べばよいですか?+
A

初めは長く続けず、短い探索で切り上げます。Blue Crossは一般的な練習を2〜5分ほどに区切るよう案内していますが、ノーズワークで達成すべき時間ではなく、犬が離れるなどの様子があれば早めに終えましょう。

Q子犬やシニア犬もノーズワークを楽しめますか?+
A

年齢だけで判断せず、その犬の体調や動きやすさに合う場所と難しさを選びます。体調に不安があるときは動物病院に相談をし、無理に参加させないようにしましょう。

Qおやつに興味がない犬はどうすればよいですか?+
A

遊ぶ気分でないときは休み、別の機会に試してください。おもちゃが好きなら、お気に入りを見える場所から探す遊びに替える方法もあります。

この記事を書いた人

わんわん秘密基地 編集部

群馬県で犬のエンタメ複合施設をつくっているチームが、犬との暮らしに役立つ情報をお届けします。

あわせて読みたい

← コラム一覧へトップページ