犬との引っ張りっこを楽しむコツ、始める合図と離す練習を覚えよう
犬との引っ張りっこを楽しむコツは、「どうぞ」で始め、途中に「離して」の練習を挟み、「おしまい」で片付ける流れをそろえることです。離す行動にはおやつや遊びの再開で応え、短い遊びと休憩を繰り返しましょう。
この記事でわかることは、ロープの選び方、合図の教え方、離せないときの交換、中断から片付けまでの手順です。
- 手と犬の口を離せるおもちゃを選び、四肢が床につく姿勢で穏やかに遊びます。
- 「離して」は落ち着いた交換練習から教え、離した後にも楽しいことが続くようにします。
- 手に歯が触れたら中断し、終了時は交換してから道具を点検・収納します。
引っ張りっこの準備は、おもちゃと足元から

引っ張りっこには、犬がくわえる場所と人が握る場所を十分に離せる、口にやさしいおもちゃを使います。床の上で犬も人も無理なく踏ん張れる場所を選んでから始めましょう。
選ぶ基準は、見た目よりも「長さ・くわえやすさ・傷みの有無」です。 American Kennel Clubの解説でも、犬がくわえ直したときに手へ歯が当たりにくい長さと、歯や歯ぐきに配慮した素材を勧めています。短くなったロープを握り直して使い続けるより、手と口の距離を保てるものに替えましょう。
| 確認するもの | 遊び始める前のチェック | 見直したい状態 |
|---|---|---|
| おもちゃの大きさ | 犬の口と体格に合い、小さな部品が外れない | 丸ごと飲み込めそう、部品が取れかけている |
| 持つ場所 | 人が端を握っても犬の口との間に余裕がある | 犬がくわえ直すたびに手へ近づく |
| ロープの状態 | 編み目や結び目に大きな傷みがない | 糸が伸びる、裂ける、かみ切れそう |
| 足元と周囲 | 滑りにくく、近くにぶつかる物がない | マットがずれる、家具の間で体をひねる |
| 交換の準備 | 食べ慣れたごほうびや予備のおもちゃがある | 取り上げる方法しか用意していない |
おもちゃのサイズと破損の確認はBlue Crossの遊び方ガイド、滑る床へのマットの使用はDogs Trustの安全な環境づくりでも案内されています。まずは気が散りにくい、片付いた部屋を練習場所にすると取り組みやすくなります。
始める合図を決め、低い位置で短く遊ぶ

始めるときは「どうぞ」などの短い言葉を決め、その合図とおもちゃをくわえる機会を結びつけます。くわえた後は犬の自然な姿勢を保ち、人は軽く抵抗する程度で遊びましょう。
最初は次の流れで試します。言葉だけで待てることを求めず、遊び始める場面で同じ合図を使うところから始めてください。
- 1犬が落ち着いているときに、犬用のおもちゃを用意します。
- 2「どうぞ」と言い、くわえやすい低い位置でおもちゃを見せます。
- 3犬が自分からくわえたら、体の動きに合わせて穏やかに引き合います。
- 4盛り上がりすぎる前に動きを止め、後述する交換と休憩を挟みます。
犬の足が床につき、首と背中を大きく曲げない姿勢を目安にします。 ロープで犬をつり上げたり、上下に強くあおったりしないでください。 犬の力が強くても、人が同じ強さで引き返す必要はありません。こちらの姿勢まで崩れるなら、遊びをいったん止めて仕切り直しましょう。
遊ぶ長さは、疲れ切るまで延ばさないことが大切です。AKCでは短い引っ張り遊びの例として10〜15秒を挙げていますが、これはすべての犬に必要な時間ではありません。合図に応じにくくなる前に切り上げ、もっと短くしても構いません。力加減と時間の参考:AKC
また、犬におもちゃを渡して「取れたね」と終える場面も作れます。毎回人が勝つ必要はなく、犬が戻ってきたら再び一緒に遊びましょう。持って離れていっても、追いかけて回収する遊びにはしないようにします。
「離して」は、落ち着いた交換から教える

離す練習は、興奮した引っ張り合いの最中より、落ち着いて交換できる場面から始めます。「離すとごほうびがある」「また遊べる」という経験を重ねましょう。
おやつとの交換を、合図に結びつける
食べ物が好きな犬には、次のような段階づけができます。これはBatterseaの離す練習を参考にした手順です。
- 1まだ何もくわえていないときに「離して」と一度言い、少量のごほうびを床へ置きます。合図で床のごほうびを探すようになるまで、短い練習を重ねます。
- 2特別に大好きなものより、手放しやすいおもちゃを使います。軽く遊んでから動きを止め、「離して」と言って床にごほうびを置きます。
- 3犬が自分で口を離したら、食べさせてほめます。口の中から引き抜かず、犬が交換を選ぶのを待ちます。
- 4合図を聞くと安定して離すようになったら、ごほうびを床へ置くのを、口が離れた後に変えていきます。
- 5手放しやすいおもちゃでできてから、少しずつ好きなおもちゃや短い引っ張り遊びへ進みます。
最初の交換では、落とした瞬間におもちゃをさらう必要はありません。RSPCAも、初めは回収を急がず、交換に慣れてから拾い、また犬へ返す手順を案内しています。犬と手が同時にロープへ伸びるなら、回収まで進めず前の段階に戻しましょう。参考:RSPCAの道具を手放す練習
おもちゃが好きな犬には、別のおもちゃを使う
食べ物より遊びたい犬には、同じくらい好きなおもちゃをもう一つ用意します。今くわえているものの動きを止め、別のおもちゃを見せ、口が離れたらほめて新しいほうで遊びます。
交換が安定したら、離す瞬間に「離して」を重ね、徐々に合図だけでも離せるか試します。離した後は必ずごほうびになる遊びを続けましょう。この交換方法もBatterseaが紹介しています。
うまくいかない日は「離して」を何度も繰り返さず、交換の準備やおもちゃの選び方を見直します。落ち着いてできていた段階まで戻り、別の機会に短く練習してください。引っ張る力を強めて離させようとする必要はありません。
手に歯が触れたとき、体が固まったときは中断する

手や服に歯が触れたり、犬の興奮が強くなったりしたら、引っ張りっこを中断します。おもちゃを守るように体を固める場合は、その場で離す練習を続けず、安全に距離を取りましょう。
歯が触れたら、人は動きを止めます。おもちゃを安全に手放せる状況なら手を離し、追いかけたり取り返したりせず遊びへの参加をやめます。犬が人を追って口を使い続けるときは、扉やゲート越しに離れて落ち着く時間を作ります。落ち着いてから再開する対応はDogs Trustの甘がみ・口を使う行動への助言でも案内されています。
再開するなら、前より短い遊びにし、おもちゃの長さや持つ位置も見直しましょう。繰り返し手へ歯が当たる状態で続けず、その日は終了して構いません。家族にも、中断する条件と落ち着いてから再開する流れを共有します。
うなり声だけでなく、体の柔らかさと人への反応を合わせて見ます。 遊び中にうなる犬もいますが、おもちゃの上で動かなくなる、体をかぶせて守る、人が近づくと歯を見せるといった様子は、距離を取る判断につながります。参考:Dogs Trustの行動の見分け方
終わりの合図から片付けまでを一続きにする

終了時は、交換して離せたことに応えてから「おしまい」と伝え、犬の届かない場所へおもちゃを収納します。遊びの途中の休憩と、その日の終了を、同じ言葉で済ませないようにしてみましょう。
次は家庭で取り入れる流れの一例です。片付けまでを遊びの一部として、家族で順番をそろえます。
- 1引っ張る動きを止め、覚えた「離して」で交換します。
- 2犬が離したらほめ、ごほうびを渡します。
- 3「おしまい」と伝え、犬が落ち着いて離れたところでロープを回収します。
- 4ほつれや欠けを確認し、犬が自分で取り出せない場所へしまいます。
途中で離すたびに片付けると、遊びを再開する練習ができません。練習中は「離す・ほめる・どうぞで再開」を挟み、最後だけ終了と収納へ進みます。終了の言葉は一度で通じるものと考えず、その後に起こる片付けや休憩と一緒に伝えていきましょう。
ロープを出しっぱなしにしないのは、かみ続けて裂いたり、破片を飲み込んだりする機会を減らすためでもあります。AKCのおもちゃ選びの案内では、ロープや編んだフリースのおもちゃは人と遊ぶときに使い、その後はしまうことを勧めています。傷みがあるものは次の遊びに回さず、使うのをやめましょう。
家族で合図を共有し、できた段階から続ける

練習を続けるときは、家族が同じ言葉と対応を使い、無理なくできた段階から始めます。時間の長さより、始めてから交換し、落ち着いて終われたかを振り返ってみましょう。
家庭で使う言葉は、例えば開始を「どうぞ」、口を離す合図を「離して」、終了を「おしまい」にそろえます。「離して」の後は必ず取り上げる、といった使い方になっていないかも共有してください。
一度に難しくせず、交換しやすい条件を残すことが大切です。 床にごほうびを置くと離せたなら、次もそこから。短い引っ張り合いで離せたなら、すぐに長く遊ぼうとせず同じ流れを繰り返します。できなかった場面も、失敗を責める材料ではなく、次の準備を決める手がかりにしましょう。
引っ張り遊びが好きではない犬には、別の遊びを選べます。過ごし方を増やしたいときは雨の日の犬の過ごし方|室内遊びと運動不足解消のアイデアも参考にしてください。家庭で教え方を整理したい場合は、相談先を考える入り口として犬のようちえんとは?しつけ教室との違いと通うメリットを解説も読んでみましょう。
まとめ
- 口と手の距離を保てるおもちゃと、滑りにくい足元を用意します。
- 「どうぞ」で始め、犬の足を床につけたまま短く穏やかに遊びます。
- 「離して」は交換から教え、離した後に遊びが再開する経験も重ねます。
- 歯が人に触れたら中断し、守る行動がある場合は専門家へ相談します。
- 「おしまい」の後は道具を点検し、犬の届かない場所へ片付けます。

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よくある質問
Q犬との引っ張りっこは、飼い主が必ず勝つべきですか?+
毎回飼い主が勝つ必要はありません。犬におもちゃを渡す場面も作り、戻ってきたらまた一緒に遊べる経験を重ねましょう。
Q犬がロープを離さないときはどうしますか?+
引く動きを止め、おやつや同じくらい好きな別のおもちゃとの交換に戻ります。口から引き抜いたり追いかけたりせず、体を固めて守る様子があるときは練習を中止して専門家に相談してください。
Q引っ張りっこ中にうなる犬は、遊ばせないほうがよいですか?+
遊びの中でもうなることがあるため、声だけでは判断できません。体が固まる、おもちゃを覆って近づく人を威嚇するなどの様子があれば、手を伸ばさず距離を取りましょう。
Qロープのおもちゃは出しっぱなしでも大丈夫ですか?+
引っ張り遊び用のロープは、人が見ているときに使い、終わったら犬の届かない場所へ片付けましょう。使う前後にほつれや欠けを確認し、ちぎれそうなものは使わないでください。
参考にした情報
この記事を書いた人
わんわん秘密基地 編集部
群馬県で犬のエンタメ複合施設をつくっているチームが、犬との暮らしに役立つ情報をお届けします。