お手入れ初心者向け

犬のブラッシングはどうする?被毛別のブラシ選びと毛玉への対応

公開日 2026年10月14日読了目安 約8分

犬のブラッシングは、毛の長さ・巻き方・下毛の量に合う道具を選び、毛並みに沿って軽くとかすのが基本です。絡まりに引っかかったら手を止め、固い毛玉や皮膚に近い毛玉は無理にほどかず専門家に相談しましょう。

この記事でわかることは、被毛別のブラシの選び方、頻度の目安、引っ張らない手順、毛玉への対応です。

この記事のポイント
  • 短毛・長毛・巻き毛に加え、下毛の量を見て道具を選びます。
  • 少しずつとかし、引っかかりや嫌がる様子があれば中断します。
  • 固い毛玉はトリマーへ、皮膚の赤みや痛みがあれば動物病院へ相談します。

犬のブラシは被毛の長さ・巻き方・下毛で選ぶ

アプリコット色のトイプードルのそばにブラシとコームを用意した様子

犬のブラシ選びでは、毛の長さ・巻き方・下毛の量を合わせて見ることが大切です。同じ「短毛」でも下毛が密な犬がいるため、長さだけでは道具を決めきれません。

ダブルコートとは、外側の毛の下に柔らかな下毛がある被毛です。表面をなでる道具だけでは、下毛に残る抜け毛を十分に取り除けない場合があります。RSPCA Australiaの被毛ケア解説も、下毛に届く道具を使ったケアを案内しています。

被毛の特徴道具の候補使うときのポイント
短く滑らかで、下毛が少ないラバーブラシ、柔らかい獣毛・毛のブラシ軽い力で抜け毛や表面の汚れを取ります。
長く、比較的まっすぐピンブラシ、コーム毛流れを整え、コームで絡まりが残っていないか確かめます。
巻き毛・縮れ毛スリッカーブラシ、コーム細いピンを押しつけず、小さな範囲に分けて使います。
下毛が密なダブルコートスリッカー、被毛に合うアンダーコート用レーキ、コーム毛の長さに合うピンを選び、下毛の抜け毛を無理なく除きます。
硬い毛があるワイヤーコートピンブラシやスリッカーなど日常のブラッシングと、毛質に応じた専門的なお手入れを相談します。

表はAmerican Kennel Clubのブラシ解説とVCA Animal Hospitalsの被毛ケア解説をもとにした選択の目安です。すべてを買いそろえる必要はありません。

ブラシとコームは役割を分ける

スリッカーは細い金属ピンが並ぶブラシ、ピンブラシは間隔を空けたピンが並ぶブラシです。名前が似ていても形や使い心地が違うので、買う前に実物を確認しましょう。

コームは仕上げや毛玉の有無の確認に使います。コームが止まった場所を、そのまま力で通さないことが大切です。道具選びに迷ったら、愛犬と今使っているブラシをトリマーに見てもらい、サイズや当て方まで教わると具体的です。

ブラッシングの頻度はどのくらいが目安?

窓辺の床で落ち着いてお手入れを待つトイプードル

長毛・巻き毛は毎日、短毛は週1回程度を出発点にし、毛量や絡まりやすさに合わせて調整します。回数を守ることより、毛が絡む前に無理なく手入れできる間隔を探しましょう。

被毛や時期頻度の目安調整の考え方
短く滑らかな被毛週1回程度から抜け毛や汚れが増えたら機会を増やします。
中くらいの長さの被毛週に数回から下毛が多い、絡みやすい場合はよりこまめに確認します。
長毛・巻き毛毎日を基本に短い時間に分け、手入れしにくい場所も確認します。
春・秋など抜け毛が増える時期普段よりこまめに一度に長時間かけず、犬の負担を見て分けます。

短毛・中毛の目安と季節による調整はPDSAのグルーミング案内、長毛・巻き毛の毎日のケアはVCA Animal Hospitalsの被毛ケア解説を参考にしています。

これは全身を一度に仕上げるノルマではありません。「今日は背中が落ち着いてできた」「脚は触る練習だけにした」と、できた範囲を把握しておくと次に確認する場所がわかります。抜け毛の少ない犬も、絡まりがないかを見る習慣は必要です。

ブラシを使わない日も、耳の後ろや脇などの毛をそっと確認しましょう。いつも同じ場所が絡むなら、単に回数を増やすだけでなく、道具や毛の長さも相談する材料になります。

引っ張らないブラッシングの基本手順

飼い主がトイプードルの体側の毛を少しずつ分けて手入れする手元

ブラッシングは、皮膚と毛の状態を見てから、軽い力で小さな範囲ずつ進めます。抵抗なくとかせる範囲だけを扱い、引っかかったら止まるのが基本です。

始める前の準備

愛犬が落ち着ける室内の床に、滑りにくいマットを敷きます。ブラシ、必要なコーム、ごほうび、抜け毛を入れる袋を手の届く場所へ置きましょう。高い台に乗せる必要はありません。滑りにくいマットは足元の安定に役立ちます。VCA Animal Hospitalsの被毛ケアの道具

まず手でそっと触れ、赤みや傷、固まった毛がないか見ます。最初からとかし始めず、触られることに落ち着いて応じられるかも確認してください。

  1. 1愛犬が普段から触られても平気な場所を軽くなでます。逃げようとするなら、道具を使う前に中断します。
  2. 2ブラシを軽く当て、毛が生えている方向に沿って短く動かします。皮膚をこするつもりで押しつけないようにします。
  3. 3長い毛や密な毛は、手で少しずつ分けながら進めます。表面だけで終わらず、内側に絡まりがないか見ますが、ブラシを強く押して届かせようとしないでください。
  4. 4長毛・巻き毛などでは、最後にコームをそっと通して確かめます。途中で止まれば抜き取り、その部分の状態を見直します。
  5. 5落ち着いてできたところで褒め、ごほうびを使って終了します。残った場所は記憶やメモに残し、次の短いお手入れで確認します。

毛並みに沿った優しいブラッシングはRSPCA Australiaと、コームでの絡まりの確認はRSPCA Australiaでも案内されています。

手入れしにくい場所は姿勢から見直す

耳の周囲、脇、脚の後ろ、お腹側は、背中とは別に確認しましょう。脚を引っ張って伸ばしたり、嫌がる犬を仰向けにしたりしてまで続ける必要はありません。自然な姿勢で触れられる範囲から進めます。

犬の毛玉を見つけたら、どこまで家で対応する?

耳の後ろの毛を引っ張らずに確認し、コームを脇に置いた手元

家で試すのは、痛みがなく、軽くとかすだけでほどける小さな絡まりまでです。固い塊になった毛玉、皮膚に近い毛玉、広くつながった毛玉は専門家へ相談しましょう。

ここでは、少し毛が交差している状態を「軽い絡まり」、毛が固まってほぐれにくい状態を「毛玉」として説明します。小さく見えることだけで、家で取れるとは判断しないでください。

見つけた状態次にすること
小さな絡まりで、犬が痛がらず、軽くとかせる優しく試し、抵抗があればすぐ中断します。
固い塊、皮膚に密着した毛玉、複数の毛玉引っ張らず、トリマーへ状態を伝えて相談します。
赤み・傷・痛みを伴う、皮膚の状態が気になるブラッシングを止め、動物病院に相談します。

軽い絡まりは、目の粗いコームなどを無理なく使えるか確認する程度にとどめます。「あと少しで取れそう」と同じ場所を何度も引かず、動かないなら道具を置きましょう。小さな絡まりと重い毛玉の対応の違いはVCA Animal Hospitalsも説明しています。

毛玉を家庭でハサミで切り取るのはやめましょう。皮膚を傷つける危険があります。 バリカンなら初心者でも安全という意味でもありません。毛玉を切除する必要があるときは、扱いに慣れたトリマーや動物病院に任せてください。

中断した毛玉を、そのまま次の定期トリミングまで放置するのも避けたいところです。予約時に「耳の後ろが固まっている」「触ると嫌がる」など、場所と反応を伝えると相談しやすくなります。

嫌がる犬には、短く触れる練習から

ブラシを置いて、落ち着いたトイプードルに小さなごほうびを渡す手元

嫌がる犬には、ブラシを通す前に、触れることや道具に少しずつ慣れる練習をします。一度で全身を終わらせず、落ち着いて受け入れられる段階から進めましょう。

始めは普段触られても平気な場所に手を触れ、手を離してからごほうびを渡します。次に柔らかなブラシを一瞬当てて離し、ごほうびへ進みます。落ち着いていられるようになってから、短くとかす動きを加えます。Dogs Trustのハンドリング解説は、このような段階的な練習を案内しています。

「ブラシを当てる練習」と「毛玉を取る作業」を同時に進めようとすると、どこで嫌がっているか判断しにくくなります。練習中に毛玉が見つかった場合は、家庭で取り切ろうとせず処理方法を相談してください。

静かにしていても、体の緊張を見る

顔をそらす、食べ物がないのに唇をなめる、体をこわばらせる、離れようとするなどは、不安のサインである場合があります。ひとつのしぐさだけで決めず、そのときの状況と全身の様子を見ましょう。Dogs Trustのボディランゲージ解説も、文脈と体全体で読み取ることを勧めています。

逃げる、うなる、強くこわばるときは押さえつけて続けず、中断してください。 次は落ち着いてできた段階に戻します。急に嫌がり始めた場合や強い恐怖がある場合は、痛みなどが隠れていないか動物病院で相談しましょう。

子犬のうちから身の回りのことに少しずつ慣れる考え方は、子犬の社会化とは?時期とやり方をやさしく解説でも紹介しています。

毛玉を繰り返さないために日常でできること

散歩から帰ったトイプードルの脚の毛を室内でそっと確認する様子

毛玉の予防には、毎日の被毛チェックと、愛犬に合うお手入れ方法の見直しを組み合わせます。同じ場所に繰り返すなら、ブラシの種類・当て方・毛の長さをまとめて相談しましょう。

耳の後ろや脇、脚の付け根は、見える表面だけでなく、触れて絡まりがないか確認します。散歩や草地で遊んだ後は、毛に小枝や植物の実が入り込んでいないかも見てください。こうした確認はVCA Animal Hospitalsでも勧められています。

外出するなら、帰宅後に手入れする余裕も予定に入れておくとよいでしょう。自然の中で過ごす準備には、犬連れキャンプ・グランピング入門|持ち物・マナー・楽しみ方も参考になります。

トリマーには、次のように具体的に相談してみてください。

  • 家のブラシは、今の毛の長さや下毛の量に合っていますか。
  • 絡まりが残る場所は、どの姿勢でどうとかせばよいですか。
  • 家で無理なく手入れできる毛の長さはどのくらいですか。

巻き毛などでは、日常のお手入れがしやすい長さに整えることも選択肢です。PDSAも、被毛によって家庭でのケアと専門家によるケアを組み合わせるよう案内しています。家庭でできる範囲を率直に伝え、続けられる方法を一緒に考えてもらいましょう。

まとめ

  • 犬のブラシは、毛の長さ・巻き方・下毛の量に合わせて選びます。
  • 頻度は被毛に合わせ、短時間ずつ、毛並みに沿って軽くとかします。
  • コームが止まったら引かず、固い毛玉は専門家へ相談します。
  • 嫌がるときは中断し、皮膚の赤みや痛み、体調の不安があれば動物病院へ相談しましょう。

よくある質問

Q犬のブラッシングは毎日必要ですか?+
A

長毛や巻き毛は毎日、短毛は週1回程度が出発点ですが、毛量や絡まりやすさで調整します。ブラシを使わない日も被毛と皮膚を確認し、春・秋など抜け毛が増える時期はお手入れの機会を増やしましょう。

Q犬のブラシは1本あれば十分ですか?+
A

短く滑らかな被毛ではラバーブラシなどが候補になりますが、長毛や巻き毛はブラシと仕上げ確認用のコームを組み合わせるとよいでしょう。犬種名だけで決めず、毛の長さや下毛の量、皮膚の状態をトリマーに見てもらうと選びやすくなります。

Q犬の毛玉は家でハサミを使って切ってもよいですか?+
A

毛玉をハサミで切ると皮膚を傷つける危険があるため、家庭では行わないでください。固い毛玉や皮膚に近い毛玉はトリマーへ、赤みや痛みを伴う場合は動物病院へ相談しましょう。

Qブラッシングを嫌がる犬は押さえて続けるべきですか?+
A

嫌がるときは中断し、落ち着いて触れられる段階から短く練習します。急に嫌がり始めた、特定の場所を痛がる、うなるほど怖がる場合は、動物病院で体の問題がないか相談してください。

この記事を書いた人

わんわん秘密基地 編集部

群馬県で犬のエンタメ複合施設をつくっているチームが、犬との暮らしに役立つ情報をお届けします。

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